漫画村騒動でインターネット・マーケティングの信頼が揺らいだ昨今。 インターネットを活用したマーケティングも「やれば良い」ではなく、視聴者からどう見られているのかを考え「どうやれば良い」か考えることがブランディングにも影響してくるのではないでしょうか。 これはターゲットリーチといった消費者・生活者の「誰に」発信するかという考え方だけではなく、「誰が」という発信する側のメディア選択の考え方を再度見直すタイミングだと思っています。
6月6日に開催された宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラムでは、そんな背景もあって(?)「Industry Innovation ~新しいルールをつくる人たち~」というテーマで開催がされました。 弊社からは取締役CSOの原田が「インフルエンサーと動画メディアのマーケティング活用の最新トレンド」と題したセミナーを開催し、200名を超える方にお集まりいただきました。
本投稿では当日のセミナーをトレースしながら、「インフルエンサー・マーケティング」実施時のポイントを確認していきたいと思います。
勘違いしてはいけない”インフルエンサー・マーケティング”とは
インフルエンサー・マーケティングは、商品をインフルエンサーからファンへ拡散してもらうマーケティング手法です。 こんなことは、読む前からご存知かと思いますが、実は本当に理解されているのかとういうと、実はミスマッチも少なくありません。
月間300〜500本程度配信されているYouTuberタイアップ
インターネットを介したメディア接触時間が50%近くを絞めると言われる現在、人気YouTuberが紹介した商品が即日完売という例もあり、インフルエンサー・マーケティング市場状況は右肩上がりの成長しています。
特にゲーム、アプリ、美容業界では定常的に活用されているようで、相性の良さが背景にはあるようです。 では“相性の良さ”とはどういった点なのでしょうか?
ファンが知りたいことは商品なんかじゃない
インフルエンサー・マーケティングを初めてやる企業の方に多いのですが、「この商品はこうでこうでこんな売り出し方をしたい」と、テレビCMのような感覚で進めようとすると間違いなく失敗をします。
前提として「ファン」はインフルエンサーに紐付いているため、“インフルエンサー”が配信するコンテンツを求めており、企業が伝えたいことを一方的にコントロールするとメッセージが届きづらいことが挙げられます。
つまり、企業はキーとなる情報をインフルエンサーに翻訳してもらう事で効率よく情報をファンに届ける事ができる。 これがインフルエンサー・マーケティングのコアバリューではないでしょうか。
“相性の良さ”とは翻訳する元になる商品がインフルエンサーの好みや得意な分野のものかどうかに大きく依存してくるので、その辺りの検知もマーケターの皆さんには求められそうです。
インフルエンサーを探す2つのポイント
マーケティングの成功は先述したコミュニケーションを実現させる「オピニオン形成」にあると考えられます。 そのオピニオン形成に向けてインフルエンサーを探す際には以下の2つがポイント考えています。
- 拡散力(フォロワー数や投稿コンテンツの視聴回数)
- 同じコストをかけても、拡散できるかどうかはインフルエンサー毎のポテンシャルを見極めなければいけません。それがフォロワー数やコンテンツの視聴回数です。
- 訴求力(エンゲージメント数やエンゲージメント率)
- 当たり前ですが、ファンから支持を得ているインフルエンサーの発信力ほど強いです。エンゲージメント数やエンゲージメント率は、それの見る上で非常に重要な指標と言えます。
私たちが提供するIPRではこれらの数値が容易に閲覧・比較可能ですので、先ずは無料で登録してみてはいかがでしょうか。
[参照:IPR]
昨今、特にInstagramではフォロワーを買って水増しするような“似非行為”も散見されます。 拡散力・訴求力ともに高い数値のインフルエンサーほど良いと言えますが、わからないときは相談してください!(笑)
多様化するインフルエンサー・プラットフォーム
「インフルエンサー・マーケティング」と言っても、SNSが多様化し、プラットフォーム毎の機能や特色も違うため、インフルエンサーもSNS毎に活用方法を切り分けており、プロモーション活用する際も各SNSの特徴を捉えて設計する必要があります。
プラットフォーム毎の特徴と注意点
見ての通り、直近では何かと話題のライブ配信もマーケティング活用において見逃せないプラットフォームではないでしょうか。まだ見たことがない方がいるのであれば、まずは見ていただきたい!青春時代にラジオ番組に楽曲リクエストをして放送されたときの高揚感以上の感覚を得られるのがライブ配信です。 中国では以前アリババがYouku Tubouを買収してEC躍進のシナジーを生み出しライブ配信市場をリードしています。 日本国内にも同様の波が押し寄せていますが、注意点にもあるようにコンテンツの確認ができないため、テレビの生放送と同様に事故が起きやすいことがリスクとしてあります。この辺りのリスクマネジメントができるようであればチャレンジする価値はあるのではないでしょうか。
マーケティング戦略に合わせたプラットフォーム選択
複数のプラットフォームに数えきれないインフルエンサー… 何から着手すれば良いのかわからない、とお悩みの方はマーケティング戦略とプラットフォーム毎の顧客行動に沿って整理すると最適解が得られやすいと思います。
プラットフォームはその特色が異なるように、ユーザーに与える影響力も異なります。例えばテレビは完全に没頭して見ますが、ラジオだと何かしながら聞くというスタイルの違いがありますよね。それが顧客行動に与える影響力の違いに繋がっているのと同じで、認知、興味、欲求、決定の顧客行動に合わせたプラットフォームとインフルエンサー選定が重要です。
図にはweiboやTikTokといったアジア圏の注目プラットフォームも含まれていますが、要するにコンテンツとファンの接触時間や視聴目的によって、誘発される顧客行動が異なるということです。 これは実際に使ったことがないと理解しづらいので、もし聞いたことがないプラットフォームがあれば先ずはアカウントを作って見ることをお勧めします。
データ・ドリブンなインフルエンサー・マーケティングを!
何かと話題になるインフルエンサーですが、医療にも内科、外科などに分かれているのと同様にプラットフォーム選択が重要だったり、インフルエンサー自体のパワーを客観的に見ないとマーケティングPDCAが回せないことはお分りいただけたかと思います。
BitStarではインフルエンサー・マーケティングの分析・プランニングツール「IPR」の提供だけではなく、プロモーションの目的にあわせて各SNSにおけるインフルエンサーを選定し企画をご提案しています。ご不明な点やお役に立てることがあれば、お気軽にお問い合わせください。