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18/08/13

ヒットタイトルを作り出すインフルエンサー・マーケティング戦略

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株式会社ネクソンは、現時点で80タイトルのゲームをサービスしており、社員数は連結で5,000名を超える、言わずと知れた大企業です。なんと韓国ではEスポーツ専用のアリーナ「NEXON ARENA」を所有しており、同社がオンラインゲーム業界をリードしていることがわかります。

今回はIPRプロデューサーの植田が、株式会社ネクソンでモバイルマーケティングをされている大瀧様にインフルエンサー・マーケティングの活用についてお話を伺いました。

ーまずは、ネクソン社について教えてください。

社員数は日本法人だけで250名、連結で5,000名を超えます。特に韓国は競技としてのゲーム文化が浸透しているので、Eスポーツアリーナを所有するなど規模が大きいですね。
開発は主に、ネクソングループの開発会社がある韓国や中国がメイン。日本ではグループ会社のgloopsが開発を担当しています。

ーでは、日本のネクソン社員の方々は、開発以外のお仕事をされているのですね?

そうなりますね!
日本国内での採用は主にゲームのローカライズを含む運用やマーケとなります。リリースしたばかりの「OVERHIT」(https://mobile.nexon.co.jp/overhit)はストーリーを含めてローカライズ・カルチャライズしています。
ちなみに弊社ではローカライズは“言語翻訳”を指し、カルチャライズは“国に合わせた改修・開発”を意味しています。


開放感のあるエントランス!!

インフルエンサーは“あまり制限しない”というのが良い

ーインフルエンサー・マーケを活用したタイトルを教えてください。

主には以下の3タイトルです。
・HIDE AND FIRE(https://mobile.nexon.co.jp/haf
・HIT(https://mobile.nexon.co.jp/hit
・OVERHIT(https://mobile.nexon.co.jp/overhit

ーインフルエンサー・マーケを活用した経緯を教えてください。

タイトルによって経緯は異なるのですが、「HIDE AND FIRE」だとリリース当時はFPSやTPSがモバイルゲームのジャンルとして存在せず、様々なプロモーション手法を試してみようという方針でした。その中で、動画ならゲームの面白さが伝わりやすいのではないかということで、事前登録期から動画マーケティングを実施しました。

「OVERHIT」はUnreal Engine4を搭載したハイクオリティな映像美と、“シネマティック・スキル”と呼ばれる派手な必殺技が一番の魅力です。そうしたゲームエフェクトに拘りがあったので、リーチボリュームを担保するべくテレビCMやウェブ広告と合わせて動画施策を実施しました。

ー動画施策はどのマーケティングフェーズから実施しているのでしょうか。

まずは立ち上げ期が一番重要なので、そこでいかに最大化させるかは意識しています。
強弱はあるものの、事前登録期から一貫して同じインフルエンサーで継続しているものもありますね。

ーインフルエンサーを使うのに不安はありましたか?

初期は本当に不安でした!
事例がなかったので、右も左もわからず、どこまで直しを入れるべきなのか、直し過ぎてもインフルエンサーの色が消えてしまうよなぁなど、当時は手探りだったのを覚えています。
直近の「OVERHIT」実施時は他社実績や当社の知見もたまり、戦略をイメージしながら実施できたと思っています。

ー初期はどんな苦労があったのでしょうか?

例えば事前登録時の動画はデモ版のアプリを配布するのですが、インフルエンサーに動画構成を好き勝手やってもらってもなかなか魅力が伝わらないなど、ゲーム画面のどこを見せるべきなのかというコミュニケーションが整っていませんでした。
また、「OVERHIT」では、リーチを意識してチャンネル登録者数の多いインフルエンサーを中心に選定しましたが、ゲームとの親和性等もあり、人選にはかなり苦労しました。

ー“魅力の伝え方”をどうやればクリアできるのか、秘訣があれば教えてください。

動画作成の制約において、“あまり制限しない”というのが良いと思います。
インフルエンサーの色がフォロワーに響きやすいので、あまり制限せずに動画を作ってもらった方が良いと思っています。
もちろん最低限伝えてほしいことは伝えた上で、訴求の方向性がズレてしまうのであれば修正はしてもらいます。
そのため、まずはラフをあげてもらってからチェック、というのが通常フロートなっています。

ーテレビCMとの作り方と違いはあるのでしょうか。

「OVERHIT」では、様々な世界・キャラクターが登場するといった“世界観の混在”に注目し、「OVERHITなら自分好みの戦い方ができる」ということをキーメッセージ「すべてのバトルが、ここにある。」に落とし込んでいます。
マス広告では、このキーメッセージを15秒の中で表現することを優先としていますが、インフルエンサー・マーケティングではインフルエンサーにゲームを咀嚼してもらいながら、ゲーム理解を深掘りしていくといったイメージです。

フェーズによってインフルエンサーを選ぶ基準は違う

ーインフルエンサー・マーケの効果測定はどのように実施しているのでしょうか。

ターゲットへの認知拡大と新規ユーザ獲得という意味ではまずCPV、視聴回数を見ています。ただし、タイトルのフェーズによって異なるKPIを追っています。例えば事前登録期なら概要欄からのCTR、リリース初期はCPI、リリースが落ち着いた頃はゲームKPIへの影響値という感じです。

「HIDE AND FIRE」は初期から“ハイファイ動画班”として、ゆきさんあいぽんさんに動画を上げ続けてもらっています。これは、既存ユーザのモチベーションとロイヤリティーをあげる施策なのですが、ゲーム内でクランを運営してもらいランキングやそれに類するものを指標として置いています。

ーアンバサダーということかと思いますが、選定基準はあったのでしょうか。

継続してプレーしてくれる人の方が、フォロワーからの信頼も厚いのでやってもらっていますが、ゲームが好きな人、継続して本当に楽しんでプレーしてくれそうな人、というのは意識しました。

ーどうやってゲームを好きになってもらったのでしょう?

初期はどうしてもお願いになってしまいます。
あとはどうしても本質的にゲーム自体が面白いかどうかというところに左右されてしまいますし、相性もありますので、取捨選択されて今の形になっています。

ー通常のインフルエンサー選定はどのように実施しているのでしょうか。

登録者数、再生回数は当たり前ですが、フェーズによってジャンルを問う問わないというのもあります。ジャンルを問う場合はゲームの中でも細かいジャンルわけがあるので、そういったところも見ます。
また、提案いただいてから実施までが1-2ヶ月かかる場合もあるので、そういった期間での伸びなんかが想定できると非常にありがたいですね。
そのほか、実績が溜まってくると人によって集客したユーザ継続率や課金率の違いが見えてくるので、そういった実績に紐づいて発注したりします。

タイトル別には「OVERHIT」はリーチ重視かつ、ゲームユーザがフォロワーに多そうな方は優先的に選定しました。
「HIDE AND FIRE」は既存ユーザとの関係が重要なフェーズなので、エンゲージメントが高い人が理想です。そういった人を多く見つけたいと思っています。

ユーザを巻き込む“単発で終わらない企画”が重要

ー個人的に動画は見ますか?

ゲーム実況が多いですが、料理が好きなので料理チャンネルはよく見ます。IPRのランキングで見つけた日本食チャンネルが最近のお気に入りです。
動画を参考に料理を作って、全然違うヤツができます(笑)

ーIPRの使用状況はいかがでしょうか?(笑)

新規タイトルを出すときに非常に使わせていただいております。
今回「OVERHIT」のリリース時もそうですが、提案いただいても知らないインフルエンサーが多々いましたし、知っているインフルエンサーも直近の動向がわからないなどの課題がありました。
そうしたときにIPRの視聴回数トレンドやフォロワー増加数推移はもちろん、フォロワー属性を参考にしています。

ーこれからインフルエンサー・マーケティングを検討している企業に向けて、ポイントがあれば教えてください。

方針が定まりきっていない時や、Youtube上でのインフルエンサー趨勢を見極められていない時は失敗する可能性が高いです。

まず、ターゲットユーザが新規なのか既存なのかで異なるKPI設定をすることは前提に考える必要があると思います。
その上で動画単発ではなく、ゲーム内のイベントなどを活用して、いかにユーザを巻き込む施策になっているのか。
また、インフルエンサーがゲーム自体を好きになってくれるか、そうゆうインフルエンサーをどれだけ見つけることができるか、という辺りが成功の鍵だと思います。

ウェブ広告と違って、数字が安定的に出しづらいので、本質的には楽しいかどうかが大事だと思います。
総じて定量的な部分もありますが、定性的な部分も多いのではないでしょうか。

ーIPRでもそうした部分をカバーできるように頑張ります!本日はありがとうございました。





株式会社ネクソン

http://company.nexon.co.jp/

1994年に創業したネクソン(本社所在地:東京都港区)は、オンラインゲームの制作・開発、配信を手掛ける会社です。2011年12月に東京証券取引所第一部へ上場し、2015年にJPX400、2017年には日経株価指数300の構成銘柄に採用されました。現在では、代表的なゲームタイトルである『メイプルストーリー』、『アラド戦記』、『HIT』及び『ハイドアンドファイア』を初めとする、80を超える多彩なジャンルのゲームタイトルを、190を超える国と地域にてサービス展開しております。

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