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18/09/25

【TGS2018】ゲーム業界の展望がみえる”5つのキーワード”。eスポーツ、バーチャルYouTuber、etc…。

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未発売の人気ゲーム、マシンガンを構えたコスプレ美女、そして多くのゲーム配信者やマーケター、来場者で賑わった千葉県・幕張メッセ。

2018年9月20日〜9月23日に開催された「東京ゲームショウ 2018」は、全4日間で29万8690人の入場者を迎えた。この人数は過去最高である。

東京ゲームショウ(以下TGS)は新作ゲームが多く発表される、アジア最大級のイベントだ。IPR編集部は9月20日・21日のビジネスデイに参加。この参加を通し、ゲーム業界の未来を指し示す5つのキーワードが見えてきた。本記事では会場の熱狂と5つのキーワードを紹介していく。

PUBG企業対抗戦の熱狂を「ライブ配信」で日本中に。


1つ目のキーワードは「ライブ配信」だ。

人気PC・スマホゲーム「PUBG」のブースでは、『第一回 PUBG企業対抗戦 in TGS』が開催された。PUBGの企業対抗戦。第一部と第二部にわかれて、合計40の企業が参加。PUBGのブースは多くの来場者でごった返し、人々は対戦が行われる画面に釘付けになっていた。13時から行われた第一部の優勝企業はWekids、16時から行われた第二部ではバンダイナムコオンラインが優勝を飾った。


大いに盛り上がったイベントであるが、ここで注目すべきは、同時にライブ配信が行われていたこと。YouTube、ニコニコ生放送、Twitchを通し対抗戦はライブ配信された。TGSの会場のみならず、配信プラットフォームを通すことで画面の向こうにいる視聴者も参加者の1人になれる。


ゲーム配信が中心のYouTuberにとって生配信は視聴者との交流を深める強力な手段だ。また、ゲームに特化したライブストリーミングサービス「Twitch」ではPUBGをはじめとして、League of Legends、モンスターハンターなど、多くの人気ゲームが配信されている。そして日本国内におけるTwichの視聴者あたりの1日視聴分数、そして実況者数は急激に拡大しているという。また、ゲームの配信に限らず「SHOWROOM」「LINE LIVE」「17Live」といったライブ配信アプリでは、アーティストやアイドルによる配信で盛り上がっている。

配信者とリアルタイムで同じ体験を共有している感覚は、編集された動画とは一味違うワクワクを視聴者に与えてくれるのだ。

日本eスポーツ連合が主催の「e-Sports X」が開催。


2つ目のキーワードは「eスポーツ」だ。

今年のTGSはeスポーツに特に力を入れていた。eスポーツの大型ステージ「e-Sports X(イースポーツクロス)」を一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)の主催により開催。e-Sports Xはeスポーツ競技大会であり、「パズドラ」「ぷよぷよ」「ウイニングイレブン2019」などの人気8タイトルで競技が実施された。また、2018年10月25日発売予定の「ぷよぷよeスポーツ」のブースでは、プロ選手と挑戦者の対戦が行われた。その他のブースには、eスポーツに適したゲーミングPCやプロ選手が契約しているヘッドセットなどが展示されており、eスポーツへの注目の高まりをあちこちで感じる。


2018年2月に日本eスポーツ連合が設立。先日行われたアジア大会のeスポーツ競技では「ウイニングイレブン2018」で日本代表が優勝。国内人気も高まっているeスポーツに今後も目が離せない。

ブースに人だかりをつくる「バーチャルYouTuber」。


3つ目のキーワードは「バーチャルYouTuber」だ。

TGSでひときわ盛り上がっているブースがあった。見てみると、バーチャルYouTuber「富士葵」の専用ブースである富士葵のYouTubeチャンネル登録者数は14万人以上。彼女はカバー曲などの歌動画を中心に配信しており、その歌唱力は高く評価され、ユニバーサルミュージックよりメジャーデビューも決定しているという。ブースでは司会者と富士葵がリアルタイムでトークを進行。これまでの活動を紹介しながら、来場者とのコミュニケーションも楽しんでいた。そして彼女に限らず、多くのバーチャルYouTuberが会場で来場者と会話を行なっていた。


現在、バーチャルYouTuberの数は増え続けており、2018年9月にはついに5000人を突破。ネットで多くの人にコンテンツを届けたいものの顔出しに抵抗感があったユーザーや、活躍する機会のなかった声優などの新たな表現方法として注目を集めている。

また、大企業もバーチャルYouTuber事業につぎつぎと参入している。グリーはバーチャルYouTuber事業に特化した100%出資の新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を立ち上げ、同社に100億円規模の資金を投入していく予定。サントリーコミュニケーションズはサントリー公式のバーチャルYouTuber「燦鳥ノム」を発表。その他にもロート製薬のバーチャルYouTuber社員「根羽清ココロ」や、茨城県公式バーチャルYouTuber「茨ひより」など、企業の利用は今後も増加していきそうだ。TGSのブースの人だかりを見ると、バーチャルYouTuberの盛り上がりを肌で感じられた。

みんゴル、ダンシングショー、来たるスポーツ系「VR」。


4つ目のキーワードは「VR」だ。

TGSではスポーツ系VRゲームが多く見られた。PlayStation VRブースの「みんなのGOLF VR」 の体験では、ユーザーが棒状のスティックを持ち実際にゴルフをしているかのように、ボールに当てるのに苦心している。また、ダンシングゲーム「スペースチャンネル 5 VR あらかた★ダンシングショー」では、ゲーム内の指示に従って恥ずかしそうに、でも笑顔を見せながら踊るユーザーの姿が見受けられた。VRリアルドライビングシミュレーター「T3R Simulator」のブースでは、VRゴーグルをつけてハンドルがついた運転席に座る。視界はドライブ風景の主観であり、手の感触はハンドルそのものだ。ゲームへの没入感は絶大だ。


東京ゲームショウでは他にも多くのVRゲームが登場。出店されたVRのタイトル数は去年の107から132に増加。VR業界全体における、VR機器、ソフトの発売も着々と増えている。VRはゲームのみならず、遠隔でのコミュニケーションや、「VR旅行」といった活用など、無限の可能性を秘めている。現在は限られたユーザーの手元にしかないが、一般家庭に普及していくのも時間の問題だろう。

41の国と地域の企業が出店。「海外」も注目するTGS2018。


5つ目のキーワードは「グローバリゼーション」だ。

出展社数が過去最高の668社となった今年のTGS。海外企業は去年の317社を超え、330社に。アメリカ、韓国、中国、フィリピン、イスラエルなど41の国と地域の企業が集まった。大きな注目を浴びたPUBGブースを含めて日本市場に参入している企業、参入を目指す企業、ビジネスパートナーを探している企業など、立ち位置や目的は様々だ。また会場では、日本のゲームに興味を抱いている海外企業13社を招き商談会が開催された。


海外からの日本のゲーム業界への注目は、ゲームショウでの数字を見れば明らかに高まってきている。インターネットの普及やインフラの充実によって、国境をこえたグローバリゼーションが東京ゲームショウからも垣間見え、国内企業は一層グローバリゼーションの波の中での競争が強いられるため、コンテンツ内容やマーケティングにおいてもインバウンド・アウトバウンドを含めグローバルな目線で考えていくことが求められる。

編集後記

5つのキーワードで振り返ったTGS2018。
過去最大に盛り上がったゲームの祭典は、ゲームの新しい可能性と、ゲーム業界の未来を示してくれました。
「ライブ配信」「eスポーツ」「バーチャルYouTuber」「VR」「グローバリゼーション」は、今後のゲーム業界の動向に欠かせないキーワードになりそうです。

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