2018年7月22日から投稿された「心霊スポットで1週間生活してみた。」シリーズが大ヒットした6人組YouTuber「だいにぐるーぷ」。チャンネル登録者数1,800人ほどの無名YouTuberだった彼らは、2ヶ月間でチャンネル登録者数100,000人以上となり人気YouTuberの仲間入りを果たした。レッドオーシャンとなったYouTube業界においてチャンネル登録者数がここまで急増する例はかなり珍しいだろう。 そんな旬な彼らにインタビューを行った。YouTubeを始めたきっかけから、心霊企画が生まれた経緯、そして企業案件に対する本音までも語ってもらった。
この夏、YouTubeを辞めようと考えていた。
「心霊スポットで1週間生活してみた。【1日目】」は初の100万再生を突破。 一躍彼らのチャンネルが注目を浴びることになった。ーーまずは「心霊スポットで1週間生活してみた。」のミリオン再生達成、おめでとうございます! 岩田:ありがとうございます! 嬉しいですね。 ーー反響はどうですか? 飯野:この前地元の商店街を歩いていたら「心霊スポット動画面白かったです!」と若いお兄さんに声をかけられましたね。 岩田:他でも居酒屋で声をかけられりとか。心霊スポット動画の最終日にはサインを求められて、用意してなかったので、どうしようか困りましたね。でも西尾だけは自前のサインを持っていて。 西尾:言い方わるいぞ(笑) 岩田:でもヒットしてよかったです。心霊スポット動画が伸びる前の平均再生回数は200~400再生、チャンネル登録者数も1,800くらいでした。この夏に動画がヒットしなかったらYouTubeを辞めようと考えていたので……。 自前のサインにご満悦な西尾メンバー。なお他メンバーからは不評。
戦略的なバズもあった心霊スポット企画。
ーーそもそも、YouTubeを始めたきっかけは何だったんですか? 岩田:ぼくらは中学校の同級生6人があつまって結成されたグループです。ぼくらが高校生になったとき、みんな友達が全然できなかったんですよ。だから高校生になっても中学校のメンツで遊んでいて。で、その頃のぼくらは尖っていたというか。 西尾:カラオケに行ってもつまんないという話をして、いろんな遊びを自分たちで作っていたんですよ。人気企画の「ディズニーランド、行くふり選手権!」は高校の頃に実際にやってた遊びのひとつでした。 岩田:でも高校を卒業するとみんな大学や専門学校に行ったり、仕事を始めたりして、バラバラになって関係が希薄になると思ったんです。でも遊ぶだけの関係じゃもたないだろうなと。そこでみんなで面白い活動をしようと、YouTubeをやらないかとぼくが提案しました。 ーーそうだったんですね。みなさんは何で岩田さんの提案にOKしたんですか? 飯野:楽しそうだと思って。そこまで深く考えなかったですね。 加藤:ぼくはなかば無理やりでしたね(笑)。だいにぐるーぷが使っているスタジオは、ぼくの家の1階で。 岩田:もともと加藤の家でよく遊んでたんですよ。で、1階がゴミだらけの未開拓の地で。YouTube活動のスタジオをどうするかという話になった時に、ここ掃除すれば空いてるじゃんと思って(笑)。 ーー加藤くんの家なのに(笑)。 岩田:加藤の性格上、直接お願いするとダメと言われるんですけど、おだてると何でもOKするんですよ。そこでピザを買ってみんなで加藤をおだてて。最後加藤に「YouTubeやろうぜ!」と言ったら「よっしゃやろう‼︎」と返ってきて。 ーー作戦通りだったんですね(笑)。 岩田:そして2017年4月にYouTube活動をはじめました。 元ゴミだらけだった加藤ハウスは素敵なリフォーム済み 飯野:始めた当初はめちゃくちゃ調子乗ってましたね。 岩田:YouTuberあるあるだと思うんすけど、YouTubeを甘くみていました。身内ネタや自分たちが楽しんでるのをただ見せる動画で、まぁ伸びなかったですね。それから試行錯誤したんですけど、再生回数は400〜500くらい。 飯野:最初は200〜300再生くらいで、200再生をダブルと呼んでいて。 岩田:サブチャンネルで100再生いったらミリオンと呼んでいました(笑)。 ーーハードルが低い(笑)。 西尾:動画が全然ウケなくて迷走している時期もありましたね。 岩田:でもYouTubeは企画出し・撮影・編集などかなり忙しくて、正直生活を犠牲にします。だからダラダラ続けないように、1年間やって1万チャンネル登録いかなかったら辞めると決めていたんです。今年の夏でウケなかったら辞めようと考えていました。 ーーそんな覚悟のなか、「心霊スポットで1週間生活してみた。」の企画はどのように思いついたんですか。 西尾:夏に伸びる企画と考えた時に、心霊系で考えたんです。心霊系の関連動画の表示からじわじわ再生が伸びればいいと考えていて。 ーー企画の手応えはどこで感じましたか? 岩田:Twitterの「1,000RTいったら心霊スポットの1週間住みます」というツイートが実際に1,000RTを超えた時に、いけるかもと思いましたね。正直、ツイートはバズったらラッキーくらいの感覚で、1000RTに達しなくても行くつもりだったんです。でもそのツイートが1500RTまで伸びてくれて、チャンスが来たと感じました。 西尾:1万再生いけばいいくらい、と思っていましたね。 岩田:以前からぼくらは編集に力を入れてて、自信はあるけどぜんぜん伸びないパターンがずっと続いていたんです。今回も自信はありましたけど、不安でした。 西尾:でも動画は、公開2日間で爆発的に伸びて。むしろ伸びすぎて大丈夫かと心配になったくらいでした。 9月の月間視聴回数は500万を突破(IPRより) ーーこのヒットでチャンネル登録者数は10万以上に、動画はミリオン再生を達成したものもあります。正直、調子に乗りたくならないですか? 岩田:そこはメンバー同士気をつけていますね。調子に乗らないように、お互い声をかけています。今まで通りでいようと。 ーー人気になられても、みなさんすごい謙虚なんですね。 土井谷:でも、西尾は天狗になってますね。 西尾:いやいや(笑) 岩田:そういえばこの前は〇〇(某有名YouTuber・A)さんをディスりはじめて。 飯野:「〇〇(某有名YouTuber・B)がんばってほしい」とか言ってたもんな。 西尾:待って待って。いや、違いますからね(笑)(西尾くんがしばらく弁明する) ーー動画が広がった心境はどうですか? 岩田:いろんな世代の方が見てくれて本当に嬉しいですね。来期から休学を視野に入れているメンバーもいて、さらに本気で打ち込んでいきたいと思っています。
だいにぐるーぷの日常・企画・ターゲット。年上男性にウケると嬉しい。
ーーYouTube活動のスケジュールを教えてください。 岩田:みんな家が近いんで、バイト終わりの10時半くらいから週に2〜3日集まっています。企画会議が1日、残りの2日は撮影しています。 ーー企画を考えるの大変ではないですか? 岩田:高校時代からずっと遊びの延長で考えていたので、苦ではないですね。日常的に企画を考えているので、思いついたらスマホにメモをします。1週間ごとに企画が6〜10個くらい、50個くらい出るときもあります。でもクオリティを優先しているので、企画会議ではぜんぜん採用されないですね。 ーーそれほど企画は厳しく精査されてるんですね。動画のターゲットは考えますか? 岩田:たまに話し合いますね。いま見てくれているのは2:8で男性が多いです。ターゲットは同年代の同性です。でも、年上世代のほうが要求される笑いのレベルが高いと思うので、年上の男性にウケたと聞くと嬉しいですね。
最新の動画企画は1週間企画とは異なる内容に。 今回は”だいにぐるーぷ”全員での企画のため、今までメンバー全員のキャラクターを知らなかった人にもオススメの動画となっている。
企業案件、今は難しい? 年内の目標はチャンネル登録者数30万人。
ーー企業案件について、正直どう思っていますか? 岩田:やりたいけど手を出せないというか。めっちゃ食いつきたいですけど、イメージ的にどうかなと。悩みどろこではありますね。 ーー実際、案件の話は来たりするんですか? 岩田:いくつかいただきましたね。 飯野:でも企画内容がガチガチに固められているものも多くて。 岩田:自分たちの納得できるクオリティで企画できたらいいなと。やらせていていただきたいと思った案件は、ロゴを出して決め台詞さえ言ってくれればOKというゆるいものですね。 ーー案件でこんな企画をやってみたいとかはあります? 岩田:心霊スポット生活では、ランタンやソファ、布団などの支給品をメンバーに配りました。その支給品を例えば企業提供の商品にしてみたいです。そうすれば企画にうまく馴染ませそうで。 西尾:キャンプセットとか布団を提供してもらうとかね。
心霊スポット企画第二弾で強烈なキャラクターインパクトを残した加藤メンバー。 途中で布団を没収されるシーンなど過酷さは第一弾より増したように感じるが、支給品と企業のタイアップは相性が良さそうだ。ーーかなり可能性がありそうですね。 岩田:ただ一方で、今は案件をやる時期ではないかなと。 ーーどうしてでしょうか? 岩田:提供動画には全メンバーが出演すると思うんですけど、いま西尾と加藤以外のメンバーは認知されてない状況です。今出てもPRに貢献しにくいのかなと。今後の動画でメンバー全員のキャラ付けが終わったら、挑戦してみたいですね。今は新規ファンの方々を増やしたいと思っています。 ーー視聴者さんとの関係を慎重に築いていかれるんですね。最後に、これからの展望を教えてもらえますか。 岩田:年内にチャンネル登録者数30万人いきたいですね。10万人までは企画を軸に動画をつくる方針でした。今は10万人を超えたので、これからはメンバーのキャラクターを軸に動画をつくろうと考えています。 ーー目標を達成するための施策はあるんですか? 岩田:はい、そのためにいくつか大きな企画を考えています。全く新しいものもあれば、昔の企画を今のクオリティで面白く復活させる動画も考えています。大きい企画を5〜6本用意しているので、楽しみにしていてください。 ーーいち視聴者として今後の動画もすごい楽しみです。これからも応援しています! 「・・・。」インタビュー中、無言を貫き通した謎の生命体”宇宙人”。
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