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19/01/09

世界的な人気アプリ・ロードモバイルの「初の試み」は単月ROAS1000%超えのギルドを生んだ

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全世界で1億4000万ダウンロードを突破している超人気スマホゲーム、「ロードモバイル」。 同アプリを運営するIGG Inc.はBitStarとのPRで、従来の動画プロモーション施策と異なる、“初の試み”を行った。それは、インフルエンサー達がゲーム内でギルドを作り、各々のフォロワーを巻き込んで長期的に運用する施策だ。 両社ともに前例のないPRだったが、 「施策を行う前から自信がありました」 とIGG Inc.のマーケティングマネージャー・森岡夢信さんは語る。事実、本施策はロードモバイルのゲーム性にマッチし、単月ROASが1000%を超えるギルドも誕生した。 なぜ従来と異なるPRに踏み切ったのか、インフルエンサーと関係性を築き、長期的に取り組むにはどうすればいいのか。森岡さんに話を伺った。

世界で1億4000万DL。しかし国内市場は苦戦していた。

ーー本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

ーーロードモバイルは全世界で絶大な人気を誇るストラテジーゲームです。国内展開もスムーズだったのではないでしょうか?

実は正直なところ、ストラテジーゲームのマーケティングの難しさを感じていました。ロードモバイルの魅力は通常のプロモーションでは伝わりづらかったのです。ガチャはなく、画面映えの要素は少なく、ゲーム性のハードルは高い。ストラテジーゲームは、国内市場で食わず嫌いされている状況でした。また、同ジャンルが日本人経験者の少ないPC発のゲームであったことも要因の一つと考えられます。 他ジャンルのゲームと同様にアドネットワークを運用しましたが、効果は薄かったですね。2017年の夏には大規模なインフルエンサーマーケティングを実施し、インフルエンサー約25人から計50本ほどの動画を配信してもらいました。いくつかの動画は良い結果となりましたが、総合的に見ると「厳しいかな」というのが当初のジャッジでした。

ーー一般的な施策では効果が生み出しにくかったと。

そうですね。ただ、マーケティング方法に行き詰まってる時に、「これが有効かもしれない」という仮説ができる出来事がありました。

ーーそれは何だったのでしょうか?

声優の方と取り組んだ長期プロモーションです。声優さん自らギルドをつくり、1ヶ月間継続してプレイしてもらいました。驚いたことに声優の方のギルドでは、ARPPU(課金ユーザー一人あたりの平均課金額)が一般ギルドの数倍以上になっていたのです。「この方向性かもしれない」と直感しました。丁度その時にBitStarさんから「インフルエンサーがゲーム内でギルドをつくり、フォロワーを巻き込んで長期運用する」今回の施策を提案いただきました。

ーーこれはBitStarでも前例のない取り組みでした。不安はなかったのでしょうか?

自信の方が強かったですね。一般的な施策を実施しても効果が薄い中、ぼくらはマーケティングの勝ち方をずっと探していました。声優さんの成功例を踏まえ、今回の話を聞いた時に「まさにこれだ!」と感じたのです。

非常に高い費用対効果。単月ROASが1000%超えのギルドも。

ーーあらためてプロモーションの概要を教えてください。

インフルエンサーが最大100人が入るギルドを作成し、各フォロワーさんを巻き込んで長期的に運用してもらいます。インフルエンサーに対する報酬は動画1本に対してではなく、売上の一部をインフルエンサーに還元するレベニューシェア型です。

ーー今回のような長期運用では、インフルエンサー選定は特に重要だと思われます。どのような基準で選んだのでしょうか?

「ロードモバイルをどれだけ好きなのか」という1点です。インフルエンサーのフォロワー数や平均再生回数より、1日10回以上ログインしてもらうことが大切です。継続的にギルドメンバーと交流してもらう必要があるので、インフルエンサーとロードモバイルの相性は重要でした。そのため、まずは1ヶ月のトライアル期間を設けてゲームを試してもらったのです。

ーーインフルエンサーとのコミュニケーションはどのように行ったのでしょうか?

ロードモバイルは戦略性の高いゲームなので、初心者にはハードルが高い一面もあります。そこで「分からないからもういいや」とならないよう、インフルエンサーがゲームを理解できるように簡単なレクチャーをしました。また攻略ポイントに加えて、「どうしたらゲームを楽しめるか?」という点もお伝えしました。希望者の方にはスカイプやIGGのオフィスに来てもらい説明することもあります。 さらに長期的に取り組んでいる方には個別に連絡して、直接お話することもありますね。

ーー柔軟にコミュニケーションをされているのですね。プロモーションの結果はどうだったのでしょうか?

非常に高い費用対効果でした。レベニューシェア型なので金額的なリスクも少ない一方、一部のギルドでは、平均の単月ROASが1000%を超えたのです。 そのギルドはリーダーシップのあるインフルエンサーがメンバーを引っ張っていました。インフルエンサーが率先して課金するので、相乗効果でギルドメンバーも課金する良い流れができていたのです。

古参ユーザーも認めるインフルエンサーの本気度

ーーかなり良い効果だったのですね。インフルエンサーに取り組みを続けてもらうためにも、モチベーションはどう保つのでしょうか?

直接レクチャーを行なっているのは大きいと思います。運営から説明するだけで特別さを感じてもらえてるのではないかと。ただ、インフルエンサーに施策の継続は強制しません。「施策を降りたいです」と言われたら受け入れます。無理やり続けてもらっても双方にメリットがないと思います。

ーーインフルエンサーにノルマを設定することはあるのでしょうか?

それもないですね。例えばログインを義務付けてしまうと、インフルエンサーが純粋にゲームを楽しめなくなります。実は一度試したことがあるんですよ。朝1回と夜1回のログインをお願いしたのですが、チャットの内容が淡々となって、ギルドメンバーも楽しめない状況になってしまって。それからはログインの回数を含め、基本インフルエンサーに全て任せるようになりました。 そういう意味では、YouTuberさんの自主性に期待する部分は大きいです。合う人にはとことん合う取り組みでもあり、半年間以上続いている方もいますね。

ーー今回のPRで想定以上に良かった点はありましたか?

老舗ギルドとインフルエンサーが仲良くなり、同盟まで組んだことは意外な副産物でした。 一般的にインフルエンサーがギルドを作るとなると、「あのギルドを荒らしにいこうぜ」という風潮が強いと思います。僕らもそれを懸念していました。しかし、インフルエンサーがガチでロードモバイルをプレイしていることが伝わり、古参ユーザーも含めてコミュニケーションが行われるようになったのです。選定の時に「ロードモバイルが本当に好きな人」というのを意識して良かったと感じます。 また、1人のインフルエンサーがギルドを10個作ったのは驚きました。 ギルドの定員数は100人です。そのため1つのギルドを満タンにしてもらうのが、最初の目標です。しかしその方は初日で6個も作りました。そのインフルエンサーは多くの熱狂的なコアファンを抱えていたので、「このゲームをやるぞ!」と言うと、600名近くのコアファンの方々が一気にギルドに加入してくれたのです。 そのインフルエンサーの方は、元々ストラテジーゲームを配信している方でもありませんでした。ファンの方々の中にも経験者は少ないと予想できます。インフルエンサーへの好きという感情は、「ストラテジーゲームは面白くなさそう」という食わず嫌いの障壁を一気に壊してくれるのです。これは、今回の施策だから出た結果だと思います。

ーー最後に、YouTuberPRを検討している企業の方々にアドバイスをお願いします。

まず、単発の施策で広告費を回収できるゲームには、この施策を必ずしもオススメしません。正直他社さんのゲームが羨ましいと思うときもあります(笑)。一方で、既存の施策でユーザーを獲得できていないなら検討する価値は十分あると思います。 各ゲームにプレイヤーの心を動かすポイントがあると思うので、そのポイントがしっかり伝われば、インフルエンサーは長期的に協力してくれるはずです。 僕らはインフルエンサーの施策などを通し、目指していることがあります。それは毎朝起きるとき、LINEを見るよりも先にロードモバイルを開いてギルドに「おはよう」と言うユーザーを増やすこと。エンゲージメントの高い今回の施策等を継続していけば、その輪は広がっていくと思います。

左から BitStar:植田(IPRプロデューサー) IGG Inc.:森岡氏 BitStar:宮本(セールスリーダー)

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