We will report influencer marketing information.

19/05/27

バズらせるための種まき方法を2018年の大ヒット「U.S.A.」から読み解く

この記事をシェアする :

「上司がバズる企画作れって言うんです」
「とにかくバズらせたいんです〜」

インフルエンサー・マーケティングをやっていると、こんな相談を耳にすることは日常茶飯事です。

特に今年はお偉い方が視聴するメディアに「時代はSNSでバズらせる!」と、”遅れながら”特集でも組まれたのでしょうか?問い合わせの数は昨年よりも多く感じます。

「バズる」と言うワードが一人歩きしているせいで、これは人為的に作り出せると思っている”偉い人”もいるのではないでしょうか。

が、結論を言うと「バズらせる」と言うことは意図してできることではありません。
何故なら「バズらせる」主体者はマーケターではなく、個々の消費者の集合体だからです。

バズらせる為にマーケターが考えられること

もはや「バズる」は当たり前のように使われるようになりましたが、語源は英語の「Buzz」と言われています。「ハチがぶんぶんと飛び回る音」といった意味で訳されますが、マーケティング的には「口コミが有象無象に湧き上がってくる様」といった意味合いだっと感じています。

マーケティングにおいて、インターネットの台頭は口コミの重要性を大きく感じさせるようになりました。

特に若年層マーケティングにおいては「マスで仕掛ける」と言うマーケティングセオリーから脱却し、インターネットを軸においた戦略が求められており、このパラダイムシフトを受け入れざるを得ない状況です。

つまり、マーケターが考えるべきは「口コミ」を前提とした種まきと言うことになります。
今回は2018年にバズったDA PUMPの「U.S.A.」を例に見ていきましょう。

「U.S.A.」の”意図した種まき”以上に成功したこと

この一年でDA PUMPが7人組だと知った人は多いのではないでしょうか。
実は私もその一人です。(どうしても4人組の頃の印象が強いので・・・)

その認識を上書きしたのが他でもない2018年の大ヒット曲「U.S.A.」です。


2019.5.27時点で視聴回数が1.8億回を越える

大ヒットの裏側には「ダサかっこいい」という矛盾したコンセプトが存在していることは言うまでもないでしょう。

流行語大賞にもノミネートされたダサかっこいい「U.S.A.」は、言葉通り一昔前のユーロビートにネタのような歌詞といったダサさに、DA PUMPの真骨頂であるキレキレのダンスというギャップがクセになる曲でした。(専門家の方に言わせればもっとあるんでしょうけど・・・)

マーケティング的には、「ダサカッコいい」を理解すると同時に誰かに共有したくなるというのが仕掛けかと思います。いわゆるギャップ萌えです。
ギャップ萌えというのはイノベーション(革新)という解釈に似ていて、それはつまり「ニューコンビネーション(掛け合わせ)」と言った方が伝わりやすいかもしれません。

この掛け合わせにいおて差分が大きければ大きいほどバズに繋がるわけです。

これまでも「甘じょっぱい」や「キモ可愛い」なんていうワードがソレです。

では、そのバズはどうやって発生するのか。

わかりやすいのは「共有(シェア)」ですが、最近ではテレビドラマのプロモーションもしかり「参加型の共有」がトレンドです。音楽の振り付けをわかりやすくして、誰もが踊れるようにすることで「#踊ってみた」が山ほど共有され、結果としてプロモーションに繋がるというわけです。言ってみれば「シェア2.0」の時代がやってきたわけです。

音楽はそれが一番表現しやすいので、「EXILE / Choo Choo TRAIN」「三代目 J SOUL BROTHERS/ R.Y.U.S.E.I.」「AKB48/恋するフォーチュンクッキー」思い出せば様々な音楽で”知っている振り付け”があるのではないでしょうか。

漏れなく「U.S.A.」も通称”イイネダンス”と呼ばれるキャッチーなサビの振り付けが存在し、意図的に模倣してもらえるように公式ダンス動画も公開しています。


PVでは見れない振り付けのフルバージョンが見れる


「U.S.A.」の踊ってみた動画の投稿本数と視聴回数の推移

ですが、ネット上では振り付けだけではなく、「U.S.A.ゲーム」もバズったのはご存知でしょうか?


「U.S.A.」ゲームの投稿本数と視聴回数の推移

「シェア3.0」の時代がやってくる

これまでの口コミが情報の共有であったのがシェア1.0で、参加型の共有がシェア2.0とすると、「U.S.A.ゲーム」の現象はどちらにも当てはまらないものでした。

まず、「U.S.A.ゲーム」とは何か。簡単に説明すると、複数名で「U.S.A.」のフレーズ「U.S.A.♪U.S.A.♪どっちかの夜は昼間♪」の後半箇所を”あるある”で繋いでいくゲームで、お笑い芸人「チョコレートプラネット」が発案者です。



この突飛な発想は一瞬にしてYouTuberの目に留まりました。
そして、それを模倣するYouTuberが続出することになります。

フォロワー数400万人越えと日本を代表するYouTuber「東海オンエア」、フォロワー数500万人越えの「フィッシャーズ」と続き、彼らの動画はどちらも視聴数が1,000万回を超えている。

これは創作という新しいシェアの形(シェア3.0)の到来を示唆するものではないでしょうか。

情報の受発信のあり方が単調になりがちな一方、昨今のエンタメは作り出すというところに面白みがあり、そこにバズ要素が集約されている気がします。

つまり情報発信者は、受信者に情報を料理してもらい、新しい角度から発信してもらうことができれば(ひょっとすると)バズるかもしれないということです。

マーケターが仕掛けるべきはコンテンツのインパクトという時代から、視聴者UXを意識する時代がやってきたのかもしれません。

この記事をシェアする :